トムプロジェクト

2021/12/07
【第1559回】

明日は太平洋戦争に突入した真珠湾攻撃から80年目にあたります。おいらも丁度、牧久作「特務機関長許斐氏利―風淅瀝として流水寒し」を読了。大東亜戦争の陰に隠れて今まで表に現れなかった歴史の謎を丹念に解きほぐした著者の力作。この時代の話は若い人は皆知らないに違いない、というより誰も教えてこなかった闇の話。満州国に向けての野望、裏取引、片やこの戦争に勝ち目がないと反対する理性的な軍人、政治家などなど登場人物が個性豊かで面白い。昔読んだ檀一雄の「夕日と拳銃」の主人公のモデルである実在の日本人馬賊、伊達 順之助の件は懐かしかった。この時代の島国日本は己の器以上の妄想に駆られとんでもない間違いを起してしまったと思う。夢とロマンと冒険も一歩間違えてしまえば取り返しがつかないことどころか、多くの悲劇が生まれるということだ。真珠湾攻撃で亡くなった若き兵士も軍神として崇められ戦争推進派の広告塔として利用される始末。

今の世界情勢も決して油断できるものではない。コロナも恐ろしいけど、より怖いのは世界全体がポピュリズムの拡大により世界の民主主義国・地域が87カ国であるのに対し、非民主主義国は92カ国となり、18年ぶりに非民主主義国が多数派になったという事実。独裁者が権力を握り反対するものを抹殺していく構図が世界の主流になる時代が来ないとも限らない。おいらなんかはあと少しの人生なのだが未来永劫自由で平和な世界を希求する者として、悪魔が支配する世の中は御免こうむりたいと切に思う。そのためにも過去の歴史に学びしっかりとした思考に基づいた行動を起こすべきだと思う。その手掛かりとして様々なジャンルの本を読むことを是非お勧めしたいのでございます。

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まだまだ燃えてます

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