トムプロジェクト

2021/11/24
【第1555回】

昨日、トラッシュマスターズの「ガラクタ」を観劇...思えば2011年東日本大震災発生した年に「背水の孤島」を上演し演劇界を震撼させてから10年、今回は原発の産業廃棄物を扱った作品である。この劇団の、現在をテーマに正解を差し出すのではなく様々な意見を提出し観客に思考を促す演劇手法が面白い。しかも人間臭く、時にはドロドロにもなりながらもエンタメとしても成立させる強引さも気持ちがいい。社会派なんてカテゴリーからはみ出しとことんやってやろうじゃないかという心意気がないと演劇なんぞはやってられませんことよ...いつもながらの3時間近くの芝居を平然とやってのける中津留章仁は、あの大きな身体と目ん玉はだてに付けてるんじゃありませんことよ。そして彼の作、演出を信じ台詞を叩きつける役者も相当の覚悟で舞台に立っているんじゃないかしら...

一段と紅葉が進んでいます。日毎に変化するときめきの色の世界に酔いしれることが出来るなんて、やっぱり健康があってのことでございます。色鮮やかな紅葉を車椅子から眺めている老人を見つけました。その表情から、舞い落ちる枯れ葉を浴びながら、これまでの人生を振り返ってるようにも見えました。老いようとも、半身不随になろうとも生きていりゃこそ美しいものに接し喜びに浸ることが出来ってもんでございます。

そして、生きてることに感謝の気持ちがあれば少しでも長生きできますよ皆の衆。

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自然のアート

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