トムプロジェクト

2022/03/30
【第1599回】

長いこと生きてるといろんなことがあるのは当然だ...その中でも、あまり居心地が良くないこととして自慢話を聞かされること。人生を振り返って苦労したのは分かるけど、あれをやったこれをやったと聞かされても、おいらはフンフンと聞くしかない。自慢話なんていうのは、所詮自分を誇らしくみせるための方便でしかないのではないか...たしかに何かをやり遂げた功績は認めるにしても、その逆、何をしなかったということにもっと意義を感じてもいいんではないかと思う。人を傷つけなかった、差別しなかった、欲に溺れなかった、争いに参加しなかった、人の上に立とうとしなかったなどなど、これは世の中を平穏にするための人として基本的な所作かもしれない。このことをわきまえていれば戦争なんてものは起こらないはずだ。世界を悲嘆に陥れたプーチンに聞かせてあげたいもんでございます。

今日も満開の桜がそれぞれの風景に溶け込み様々な景観を生み出しています。中でも河岸の桜並木は全国のあちらこちらで春の風物詩になっています。おいらが住む杉並区にも善福寺川、神田川なんかで毎年楽しませて貰ってはいるのですが、なんと今年は、神田川に気持ちよさそうにしなだれかかる枝を切り落としたもんだから間抜けな光景になってしまいました。勿論、樹木は頃合いをみて剪定しなきゃならんのは理解しているのだが切り落とされる様を見るたびにおいら自身が切り刻まれてる気がして痛々しい気分になっちゃいます。もしや、おいらの前身は樹木だったかもしれませんな...何百年も生き続けた大木に出会うと思わずハグしちゃいますことよ。

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菜の花とサクラ

2022/03/28
【第1598回】

全国のあちらこちらでサクラ満開の知らせが届いています。サクラの開花を見るにつけ春の到来と新学期、新社会人の新たな人生の門出を祝いたい気分になっちゃいますね。それなのにコロナはいまだに収束せず3年目に突入。そしてウクライナ、いつものように突き抜けた解放感でサクラを眺めることが出来ないのがとても残念です。サクラも一年待ちわびてやっとこさこの日を迎えてご対面というのに世界はとんでもないことになっていて戸惑っているんではないかと心痛みます。

この国も戦時中にサクラは戦争推進者に都合よく利用されていた過去がある。お国のために、サクラが散る姿を殉死ともてはやし、潔く散るなんてことを良しとする雰囲気を作り上げていました。美しい花を眺めていりゃ人を殺めるなんて発想は出てこない筈なんだが、日々流されるウクライナ戦地の映像は破壊されつくした灰色の光景。こんな風景が日常化した兵士には優しさなんて感情は皆無に違いない。心身とも疲弊し無慈悲かつ暴力的な思考が支配し殺戮さえいとわないロボット状態になってしまう恐怖集団と化してしまう。

サクラとともにプロ野球も開幕しました。我がライオンズ幸先良いスタートを飾りました。昨年のリーグ覇者オリックスに勝ち越し。昨日なんぞ三回まで6点先行され、こりゃあかんと思いきや逆転勝ち...最下位からの優勝も夢でないと思いたくなります。

ウクライナの人たちも春の訪れとともに、いつものように精一杯野原を駆け巡りたかったに違いない...そんな日常をいとも簡単に崩壊させるプーチン、一刻も早く冷静さを取り戻して欲しい!

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新宿に咲くサクラ

2022/03/25
【第1597回】

このご時世、若き女性のパワーは目を見張る勢いだ...演劇の世界も然り、男性の力を借りず女性だけの劇団があちらこちらで誕生している。昨日も演劇科という学部がない東京芸術大学の卒業生だけで結成された「理性的な変人たち」という集団の芝居を観てきました。既成の演劇という枠に収まることなく幅広いジャンルで活動している表現者が楽しく躍動感あふれる舞台を創っていました。今回のテーマは性暴力、今までは人前で言えず声を出すことをはばかれていた幼少時の性の屈辱的な事件を家族にからめてのストーリー。この集団のネーミングにふさわしく感情に溺れることなく理性的に展開してた気がします。

何事も諦めずに継続していくことが一番です。経済的にも大変でしょうが若さと表現に対する飽くなき情熱があれば怖いものなんかございませんことよ。いまだ人が観たことがない表現が一つでもあればやる意味があるってもんでございます。今回はコロナで二度中止になりやっと実現できた第二回目の公演。今日あらためて感じたことは女性のデリケートな諸問題、やはり女性だけで演じると実に説得力がございます。

性暴力といえばあの文春砲であげられた脇役男優、これが真実であれば「ぶらり途中下車の旅」でちょい不気味だがいい味だしていたのにOUTだね。出会ったお店の人もがっかりだし、なによりも苦労してなんとか役者として認められ始められたのに...人間ちょいとした気の緩みから又一から出直し。それにしてもおいらが一番嫌いなこと、立場を利用して弱い立場の人を私利私欲に走り傷つける行為。これやっちゃたら人間おしまいですばい!

プーチン、もはや遅いけど目を覚ませ!

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少しづつ...

2022/03/22
【第1596回】

演劇に関わる人間にとって、いやアートを愛する市民にとって悲しい出来事だ。ウクライナ南東部マウリポリで避難所として使われていた劇場が破壊された。続いてリビウ中心部にある劇場「レスクルバス」、1910年ごろに設計され、映画館、芸術劇場、大衆劇場として変遷を重ね普段は約100ある客席の多くが集まる人気の劇場でもあった。侵攻直前の2月23日までは現代劇を公演していたそうだ。3月も約20公演が予定されていた。侵略国ロシアも数々の芸術を生み出した国の一つであるはずだ。劇場にはありとあらゆるジャンルのアーチストの汗と涙と魂が棲みついている。その貴重な建物を意味なく破壊してしまうロシア兵、プーチンはもはや人間ではなく悪霊が宿り阿修羅と化してしまったに違いない。

昨日までは春を待ちわびて公演を散歩する老夫婦、子供連れの家族、若いカップルの姿があったのに、一瞬の間に地獄の戦場となり悲嘆にくれるウクライナの人達。今日と同じ明日が訪れるものと誰しもが思い描いて一日を生きる人々に思いが至らない権力者に鉄槌を下したい。人々の尊い日常をいとも簡単に奪う戦争の無慮さを気にとめない鈍感かつ無神経な権力者を持つと自国ばかりか隣国にも悲劇をもたらすいい例だ。

押しつぶされ踏みにじられた人達の思いを拾い上げ身近な人達に伝えていく。いくつになってもどんな境遇であっても、そんなデリケートな神経はいつまでも保っていたい。いつか戦争が終結し、今再び当たり前の日常が戻ったときに何よりも求められることであるに違いないからだ。

一昨日、東京は桜開花宣言。春を告げる桜、このときめき、今年もウクライナの人達と共有したかった...一刻も早い停戦を願う。

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サクラサク

2022/03/18
【第1595回】

コロナ、ウクライナ、そして地震...世界は混迷を深めるばかりだ。ウクライナの今の状態が同じように日本で発生すればという仮定の話のなかで、自分であれば武器を手に侵略に立ち向かっていくのか?命優先で積極的逃避を選択するのか?日本人誰しもが突きつけられる問題なのかも知れない。今の日米安保条約にしたって、米軍関係者が日本国内で事件や事故を起こしても、日本側が十分に捜査できないなどさまざまな問題を抱えた地位協定がある限り有事の際果たしてアメリカは日本を守ってくれるのかどうか?はなはだ懐疑的と言わざるをえない。

それにしてもロシアの国営テレビ「チャンネル1」の夜のニュース番組の生放送中、原稿を読むアナウンサーの後ろで、女性が「戦争反対。戦争止めろ。プロパガンダを信じないで。ここの人たちは皆さんにうそをついている」と書かれたプラカードを掲げた「チャンネル1」の編集者、マリナ・オフシャニコワさんの勇気...二人の子供がいるのだが亡命せず国内で戦争反対を訴え続けるという...あなたにこのような勇気ある行動が出来だろうか?今回のウクライナの出来事、世界の人たちがこれからの国の在り方、幸せの意義、争いのない世界の施策などなど多くの難題を提示しているに違いない。

コロナも来週の21日をもって全都道府県、蔓延防止法が解除される。この2年間いろいろあったのだが今一つ決め手がない様に感じる。これからはウィズコロナで行くしかないのではなかろうか...

一昨日の地震はさすがに目が覚めた。東日本大震災から11年目に又、同じ東北で発生するのだから油断できないということだ。いつだって地震に備えておく必要性を強く感じた。水、食料、電源などなど...そして、やはり地震大国日本での原発は命取りになりかねないことを確信した次第だ。

ささやかでもいい、地道に質素にいまあるすべてに感謝して過ごすことの大切さを教えられる今日この頃である。

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春が来た2

2022/03/16
【第1594回】

♪吹けば飛ぶよな将棋の駒に~「王将」昨日、下北沢の劇場で観劇。「王将」と言えば舞台では新国劇の辰已柳太郎、緒形拳、映画では坂東妻三郎、勝新太郎、三國連太郎がそれぞれ主人公坂田三吉を演じた。おいらの記憶では舞台では辰已柳太郎、映画では坂東妻三郎の坂田三吉が一番印象に残っている。この舞台設定、ストーリーは庶民の町大阪の匂いがたっぷりと盛り込まれ、「王将」=「大阪」というイメージでもある。おいらは大阪に行くと必ずと言っていいほど通天閣地域を散策する。今でもジャンジャン横丁では、坂田三吉の夢を追う将棋指しが集まる将棋クラブが存在する。老若男女が入り乱れる中、若者はもちろん藤井聡太を目指しているんだろう...でも、三吉の指した将棋は今でもこの場に息づいている。

昨日観劇した「王将」は星屑の会による公演である。でんでん、ラサール石井、小宮孝泰、渡辺哲さんなどなど、一癖も二癖もある役者さんが小さなセットでいぶし銀の演技で3時間ほどの舞台を見事に演じ切った。北條秀司さんの3部作戯曲6時間の作品を演出の水谷龍二さんがうまくまとめていた。

勿論、この「王将」トム・プロジェクトでも2000年に松尾スズキ演出、板尾創路、片桐はいり、宮藤官九郎、荒川良々さんらの出演で上演している。名作は時代を超えいつまでも朽ちることが無いと同時に、時代の空気にあわせながらこれから先も幾度となく上演されるに違いない。♪うまれ難波の八百八橋~月も知ってるおいらの意気地~

このご時世、芝居屋も意気地でやっとります!

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春が来た

2022/03/14
【第1593回】

この週末もウクライナの情報で各メディアは多忙を極めていたようだ。片や相変わらずたわいもないバラエティ番組を能天気に垂れ流しつづける平和惚けしたテレビ各社。たしかにわからないでもない。このたるんだご時世に、パラオリンピック開催中に、まるで戦争映画を観るような光景が突如現れたらどう対処したらいいのか戸惑ってしまう。そのうちにこれがまさしく現実だと理解し出すと、とても正視できない状態になりお笑い放送への逃避行がはじまったというわけ...しかし、想像力を働かせれば、この日本だって他山の石ではないはずだ。ロシア海軍の軍艦10隻が津軽海峡を通過し、方領土に配備された地対空ミサイルシステム「S300」の訓練を行ったと発表。こりゃ分からんぜよ、第三次世界大戦になると間違いなく北方領土を起点として日本に攻め込んでくるだろう。それに乗じて中国は台湾を侵略し、近くにある沖縄米軍基地を巻き込み、北から南から日本は包囲され日本沈没というシナリオを突き進むことは間違いない。

いまあるこの平和なんていうものも、ひとりのとんでもない権力者によってかくも容易に吹き飛んでしまうってわけだ。天災は防ぎようもないこともあるのだが、戦争と言う人災は人間の叡智で何とかなるとは思うのだが、核と言う恐ろしいものを手にした瞬間、その叡智そのものが砂上楼閣と化してしまうのだから皮肉としか言いようがない。

週末の公園、東京での親子の幸せな寛ぎと、ウクライナの母子の悲嘆にくれる姿、世界は引き裂かれた現状を我々に突きつけている。今やれることは何か?己が出来ることを発信するしかない...それにしても今日の東京は夏が来たくらいの異常な暑さだ。

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穏やかな公園

2022/03/11
【第1592回】

今日は東日本大震災が発生してから11年目になる日である。コロナ、ウクライナと目まぐるしく世界は混迷の度を深めているのだが、この震災はいつまでも忘れてならない出来事である。未だに行方不明者2523人、避難者38139人、原子炉の処理もこれからいつまで続くのかわからない現状のなか、まだまだ復興途上であることに間違いない。この時期になると、各メディアがその後の被災者の記事を掲載するのだが、この傷跡は生きてる限り癒されることがないことを痛感するばかり...復興された風景を見るにつけ、あの地元で生活した匂いらしきものは当然の如く感じられないし、無機質なコンクリートの塊を見せられると胸が痛む。街は人の体温が作り出すものであり、いかに立派な建物を作ってもそれはただの箱でしかない。津波を防ぐ要塞のような防波堤は勿論津波を防げても、海と人を遮断し海と共に暮らした人間にとっては目隠しをされたも当然。沿岸の人達が海を友として生きてきた歴史にも微妙な変化が見られる。

今回のウクライナ侵略によって、原発の再稼働の動きが世界の各国で見受けられるのも無気味である。原発がまさしく諸刃の剣となり、時の権力者が都合よく支配するなんてことになるとますます厄介である。世界で唯一の被爆国であるこの国ですら核保有の意見が出る始末、そしてロシアも北方領土に軍備拡大、なんだか一気にきな臭くなった世界。青い地球が戦禍で真っ赤になるなんてまっぴらごめんだと誰もが思ってるのに雲行きは怪しい。

ユニクロさん、やっぱり営業停止しましたね...それにしても、ユニクロがロシアで営業継続の報が入ったことを受けてメディアが何のコメントもしなかったこと、あれだけテレビでCM流してるんだから、そりゃ無理だよね。

それにしても、一刻も早いロシアの侵略が止むことを切に願う!

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しだれ梅

2022/03/09
【第1591回】

今おいらに課してる一日の数十分...筑摩書房が去年9月に出版した岸政彦編「東京の生活史」、聞き手を募集し、その後150人に聞き手それぞれが自ら選んだ語り手の話を聞き取り、合計150の生活史を集めるというプロジェクト。2段組み1200ページという分厚い本なので一気に読むわけにもいかないというより、1日ひとりの人生をじっくり味わうというおいらのプロジェクトを立てたという訳だ。まだまだ読み始めたばかりだが、どの話も面白く語り口からその時代の風景、背景が甦って来るってんだからたまらんですばい。ただ漠然と俯瞰しながら東京と言う街を眺めていれば気付くことがなかった人間に、しっかりと耳を傾ければはっきりとその人間の生き方が見えてくる。そんな人たちがこの東京という街を支えていることに改めて気づかせてくれる。

日常会話でよく聞くフレーズ「語るに足らぬ人生」、いやいや「語るに足る人生」テンコ盛りで芝居にも出来る話が満載。小難しい言葉を羅列するより、人間の生身の言葉のほうがざらざらとした感覚で心地よく身体に入ってくることを立証した本である。

ウクライナから隣国に逃れる女性、子供、老人、すべてを捨てて命を選択する人達。逃げたくとも小児がんに罹り逃げ場を失った子供たちと病院関係者。これらの映像を見ればプーチン政権も自壊するのだが情報統制してる現状ではなかなか難しい。世界が知恵を出し合い何とかしようとしてるのに、あのユニクロさん、ロシアから撤退しないなんてあり?

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桜を待つ梅

2022/03/07
【第1590回】

「ザ・ユナイテッド・ステイツVS.ビリー・ホリディ」鑑賞。おいらも長いこと聴き続けているビリー・ホリデイの名曲を圧巻の歌唱と熱演で2時間釘付けにしたアンドラ・デイに拍手を送りたい。特に彼女の代表作である「奇妙な果実」(歌詞が黒人へのリンチを歌った内容で、暴行されて木に吊るされた黒人の遺体を、"果実"にたとえた)をホリデイが憑依したかのようなステージでの姿は圧巻である。とても演技未経験な歌手だとは思えない。

この映画は伝記映画と言うよりも、アメリカの暗部をえぐった映画であり、今なおその差別も含めてアメリカの抱える病が継続していることで締めくくった事も意義深い。この映画を観ることで、アンドラが人間としてアーティストとして、ビリーと深くつながっていく変遷が堪らなく愛おしい。

早速、家に帰りビリー・ホリディのレコードとCDを聴き続けた。本人の歌声は優しく語りかけるように心地よく、今までとは違う形でストーンと身体に落とし込めた。アンドラの表現力がビリー本人との橋渡しをしてくれたに違いない。悲惨な人生だっただけに歌うことによって魂を昇華させようとする姿に、こちらが心洗われる思いだ。

こうやって映画を観たり、音楽を聴けるのも平和あってのこそ。ロシアのアーチストたちも心痛めているに違いない。一日も早くウクライナの侵略を止めて欲しい。爆撃で一歳半の子供を亡くし悲嘆にくれる若い母親の姿、逃げるところが無いと泣き崩れる老婆の諦めの表情、なんとか停戦を願う。

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憑依

2022/03/04
【第1589回】

キエフが危ない...35年前にシベリア鉄道でソ連に行ったことを想い出す。広大な大地を8日間かけての鉄道旅、停車した駅のソ連の人達の素朴な顔、乗り合わせた旅人も様々な人種、時には助け合い談笑しあったあの日あの時の光景、風景が懐かしい。モスクワボリショイ劇場で観たキエフバレー団の「白鳥の湖」の感動も未だに記憶している。東ヨーロッパ最古の都市で芸術に彩られた美しい街を気が狂ったとしか言いようのない権力者の一声で破壊されようとしている。日々流される映像を見ながらなんだか歴史が逆流し、なんとか少しでも死者が出ぬようにと願うしかない。ここまでくるとロシア人が反戦を訴えプーチン政権を打倒すればと思うのだが、声を上げただけで拘束されちゃうんだから話にならない。

訓練だと思って集結した若きロシア兵も、まさかの侵攻で戸惑い心中穏やかではない。そりゃそうだ、同じ民族を理不尽に殺めるなんて相当の葛藤があったに違いない。理性ある軍の指揮者が撤退を命じるなんてことを期待したいのだが、これも今のロシアの体制では反逆罪での死に繋がりかねないのでなかなか難しいのではないか...

こんな状況のなか、コロナもなかなか収束しないのだが、コロナどころではない不安と心配が世界を覆っている。確かにこの時期、酒を飲んでいても食事をしていてもなんともすっきりしない...世界の平和あってもこその日常の至福の時間を早く取り戻さねばならない。

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寄り添う

2022/03/02
【第1588回】

「芸人と兵隊」昨日、松戸演劇鑑賞会で無事千秋楽を迎えることが出来ました。昨年12月中旬に稽古を開始した時点は東京も一日25人程度のコロナ感染者だったのが、年が明けるとまたたくまに1万、2万と増えだし今回の公演も難しいのではと思っていました。がしかし、スタッフ、キャストの皆さんの並々ならぬ努力により昨日までの20ステージを完走しました。昨日、開演前と終演後に役者さんの楽屋に行きましたが皆、感無量、よくぞやりきれた奇跡だ!と口をそろえて言ってました。勿論、スタッフの皆さんの日々の暮らし方も大変だったと思います。こんな時こそ、何とか演劇の側から未来につながるヒントを発信したいという思いが一つになった結果だと思っています。一昨年の9月から今日まで10本の作品をコロナ禍のなかで無事上演できたことにおいら自身も驚いている次第です。芝居を待つお客様があっての演劇です。全国の演劇鑑賞会の皆さん、そして東京はじめ地方のホールに足を運んでいただいている皆さん、本当に感謝です!まして、こんな時期に周囲の反対を押し切って来ていただいているのですから普通の三倍四倍の感謝印です。

昨日もラスト近く、桂銀作役の村井國夫さんが一段と声を張り上げ「戦争なんぞする国のお偉方は馬鹿揃いだ...」この時期にこのセリフ、平和を願う人達の思いが込められていました。

無益な戦争で死んでいく人たちが出ないように...世界の知恵者が何とかウクライナ停戦に持ち込むようにアクションを起こすことを願う...

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平和な時を告げる