トムプロジェクト

2022/03/09
【第1591回】

今おいらに課してる一日の数十分...筑摩書房が去年9月に出版した岸政彦編「東京の生活史」、聞き手を募集し、その後150人に聞き手それぞれが自ら選んだ語り手の話を聞き取り、合計150の生活史を集めるというプロジェクト。2段組み1200ページという分厚い本なので一気に読むわけにもいかないというより、1日ひとりの人生をじっくり味わうというおいらのプロジェクトを立てたという訳だ。まだまだ読み始めたばかりだが、どの話も面白く語り口からその時代の風景、背景が甦って来るってんだからたまらんですばい。ただ漠然と俯瞰しながら東京と言う街を眺めていれば気付くことがなかった人間に、しっかりと耳を傾ければはっきりとその人間の生き方が見えてくる。そんな人たちがこの東京という街を支えていることに改めて気づかせてくれる。

日常会話でよく聞くフレーズ「語るに足らぬ人生」、いやいや「語るに足る人生」テンコ盛りで芝居にも出来る話が満載。小難しい言葉を羅列するより、人間の生身の言葉のほうがざらざらとした感覚で心地よく身体に入ってくることを立証した本である。

ウクライナから隣国に逃れる女性、子供、老人、すべてを捨てて命を選択する人達。逃げたくとも小児がんに罹り逃げ場を失った子供たちと病院関係者。これらの映像を見ればプーチン政権も自壊するのだが情報統制してる現状ではなかなか難しい。世界が知恵を出し合い何とかしようとしてるのに、あのユニクロさん、ロシアから撤退しないなんてあり?

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桜を待つ梅

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