トムプロジェクト

2022/02/21
【第1585回】

あのタモリが、なんで街のチンピラがあれほど足上がるの?で当時話題になった1961年に上映された「ウエストサイド物語」が名匠スティーブン・スピルバーグ監督によってふたたび映画化されました。正直、大変気に入りました。何故この時期に制作されたのか?

その意図は十分に盛り込められていました。アメリカが抱える分断、世界が再び戦禍に晒されようとしているときに何が大切か、映画の基本であるエンターテインメント性を失わず157分飽きさせることなく魅せてくれるんですから、さすがスピルーバーグでございます。

TV映画「激突!」、「ジョーズ」(75)、「未知との遭遇」(77)、「レイダース 失われたアーク」(81)、「E.T.」(82)、「ジュラシック・パーク」(93)、そして「シンドラーのリスト」(94)でアカデミー作品賞と監督賞を受賞。この「シンドラーのリスト」のテーマ曲いつ聴いても心に染み入ります。この監督の少年のような遊び心と平和への希求、そしてどの映画にも共通する愛の大切さ、そりゃ娯楽性に満ちた良質な映画が出来ますわ。

ほとんどが無名に近い役者を起用したのも監督の映画に対する未来へのメッセージではなかろうか...むしろ無名の若手を起用したところに新しい「ウエスト・サイド・ストーリー」が誕生したとおもいます。この映画の見どころである「トゥナイト」「クール」「アメリカ」「サムウェア」など数々の名曲とダンスシーン、監督の映像マジックで大満足。おいらはシニア料金¥1200で何だか申し訳なくなるくらいの満足度でございました。

特に印象深かったシーンは、前作にアニタ役で出演していたリタ・モレノが歌う祈りの歌 Somewhereそして様々な争いに対し「話し合えばわかるはず...」と淡々と語る台詞。御年90歳になる老優の佇まいは監督の期待に十分応えておりました。

こんな映画はやはり大きなスクリーンと迫力ある音響設備を備えた映画館で観るべし!

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スピルバーグの挑戦

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