トムプロジェクト

2022/03/16
【第1594回】

♪吹けば飛ぶよな将棋の駒に~「王将」昨日、下北沢の劇場で観劇。「王将」と言えば舞台では新国劇の辰已柳太郎、緒形拳、映画では坂東妻三郎、勝新太郎、三國連太郎がそれぞれ主人公坂田三吉を演じた。おいらの記憶では舞台では辰已柳太郎、映画では坂東妻三郎の坂田三吉が一番印象に残っている。この舞台設定、ストーリーは庶民の町大阪の匂いがたっぷりと盛り込まれ、「王将」=「大阪」というイメージでもある。おいらは大阪に行くと必ずと言っていいほど通天閣地域を散策する。今でもジャンジャン横丁では、坂田三吉の夢を追う将棋指しが集まる将棋クラブが存在する。老若男女が入り乱れる中、若者はもちろん藤井聡太を目指しているんだろう...でも、三吉の指した将棋は今でもこの場に息づいている。

昨日観劇した「王将」は星屑の会による公演である。でんでん、ラサール石井、小宮孝泰、渡辺哲さんなどなど、一癖も二癖もある役者さんが小さなセットでいぶし銀の演技で3時間ほどの舞台を見事に演じ切った。北條秀司さんの3部作戯曲6時間の作品を演出の水谷龍二さんがうまくまとめていた。

勿論、この「王将」トム・プロジェクトでも2000年に松尾スズキ演出、板尾創路、片桐はいり、宮藤官九郎、荒川良々さんらの出演で上演している。名作は時代を超えいつまでも朽ちることが無いと同時に、時代の空気にあわせながらこれから先も幾度となく上演されるに違いない。♪うまれ難波の八百八橋~月も知ってるおいらの意気地~

このご時世、芝居屋も意気地でやっとります!

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春が来た

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