トムプロジェクト

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マシーン日記


【作・演出】松尾スズキ
【出演】片桐はいり 有薗芳記 加地竜也 加藤直美

1996年9月3日~9月11日
ザ・スズナリ


笑いのこれぞ"パンク"な小劇場的世界。
予定調和に背を向けたストーリー展開で若者からカルト的支持を得ている松尾スズキが脚本&演出。
片桐の役は真実をみつめるあまり、機械に近づきたいと願うようになった元体育教師。彼女が郊外の町工場に勤めだしたことから起きる、小さな人間社会の崩壊を描く異色問題作だ。
片桐はいりという個性的な女優を主演に迎えることにより、松尾独自のあの不条理な愛の世界がより深く掘り下げられるのか!と怖い期待を抱かせてしまう作品がこれ。
松尾スズキは、常に激しい起爆力と毒に満ちた舞台を作り上げるが、今回もまた激しさと静けさ、明るさと暗さ、愛と毒の両極に針が振れ続けているような空間を見せてくれた。
一瞬一瞬でどんどん展開してゆく構造は、多分に映画的である。映画的な舞台の上にあって、その映画的な魅力で引き付ける有薗芳記と、まさに舞台俳優の味で迫ってくる片桐はいりがすばらしい。