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過去の作品 演劇

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狐狸狐狸ばなし


【作】北條秀司
【演出】ケラリーノ・サンドロヴィッチ
【出演】篠井英介 ラサール石井 板尾創路 六角精児 真山章志 大出勉 廣川三憲
     野間口徹 小林俊祐 皆戸麻衣 植木夏十 サチコ 小林由梨

2004年5月29日~6月6日本多劇場【初演】
2007年9月1日~9月9日本多劇場【再演】



昔から男と女は狐と狸の化かし合いと申します。
ものぐさ坊主と亭主もちの女、そこにその亭主と坊主に言い寄る別の女が入り交じり、
てんやわんやの化かしあい
惚れた、腫れたのお話が、小粋な都都逸を聞いたような後味を残す大人のお芝居―



「特権階級のセクト主義とイデオロギーの演劇に抗し、あくまで一般庶民のための格調ある舞台を創造する。この信念は終生、変わることがない」
これは平成8年に93歳でこの世を去った劇作家、北條秀司が生涯貫いた劇作精神である。
今尚、演劇界・映画界・TVのジャンルを超えて北條作品が登場するのは、この庶民に対するあくなき愛情である。
オモシロ、オカシク、イトオシイ人間に対する観察力が、どの作品にも色濃く表れている。
高いところから見下ろすのではなく、同じ人間の目線で見つめつづけた作家の洞察力は確かで、こんな時代だからこそより強い有効性を感じる。
「狐狸狐狸ばなし」は、昭和36年に東宝劇場で上演された戯曲である。出演者の顔ぶれが面白い。
森繁久弥、山田五十鈴、中村勘三郎、三木のり平といった曲者ぞろいである。
この作品はタイトルが示すように狐と狸の馬鹿仕合い。人間の際限ない欲望を喜劇タッチで描いた傑作!
何度読んでも面白く、人物が良く描かれている。
この昭和の名作を、ナンセンスな笑いとポップな感覚で現代の演劇シーンをリードするナイロン100℃の主宰ケラリーノサンドロ・ヴィッチが見事に蘇らせた。
そして現代の女形を演じさせればピカイチといわれる篠井英介に奇才ラサール石井。いまや俳優として風格の漂う板尾創路に扉座の怪優・六角精児が挑みます!