【第316回】
年の瀬も押迫ったなか、2日間で2本の音楽劇と1本のミュージカルを観劇。23日は座・高円寺で10月に70歳で亡くなった斉藤憐さんの作、佐藤信さん演出によるピアノと俳優二人の朗読。憐さんのジョージ・ガーシュインに対する思いをドラマ仕立てにした音楽劇。トム・プロジェクトでもお馴染みの高橋長英さんが、20世紀を代表するバイオリニストの一人ヤッシャ・ハイフェッツの役で出演しとりました。おいらが思うに、床屋の親父さん、漁師、匠の職人が似合う長英さんが、ラプソディ・イン・ブルーの曲のなかで漂ってる様が妙に可笑しかった。佐藤允彦さんのピアノはさすがでした…それにしても、ガーシュインの溢れる才能に酔いしれました。
翌24日は、同じく座・高円寺で昨日と同じ作・演出でショパンとジョルジュ・サンドの物語「ジョルジュ」竹下景子さんがジョルジュ・サンドの役で出演してました。それにしてもショパンの曲は静謐、激情、ロマンと多彩な曲調を持ちながらなんと悲しい思いにさせられるんでしょうかね…ガーシュイン、ショパン共に39歳での夭折。天才故の生涯といってしまえばそうかもしれんが、早すぎる。つくづく凡人で良かったですばい…
そんな事を考えながら有楽町にあるシアタークリエに向かう。演し物はミュージカル作品「GOLD〜カミーユとロダン〜」現代彫刻の巨匠オーギュスト・ロダンと、その弟子であり愛人であったカミーユ・クローデルの波乱に満ちた物語でございました。お客はほとんどが女性で、そのなかにミュージカル好きなおっさんがチラホラ。日本人は、ほんまにミュージカルが好きですな…おいら、いつも思うんですが、なんで突如として唱うんでしょう…そのまま台詞で言えばいいでしょうがと…でも歌にするところが観客にすればたまらんのでしょう。それにしても新妻聖子ちゃんの成長にびっくり!2012年のトム・プロジェクト公演「骨歌」が楽しみです。
この2日間、西洋の天才の人生ドラマを観るにつけ、帰りの有楽町のガード下の焼き鳥屋の赤提灯に何故かほっといたしました。
|