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【第396回】


前回にも書いた永山則夫がバイトしていた新宿歌舞伎町のジャズ喫茶ヴィレッジヴァンガードをはじめ、木馬、ポニー、DIGは、おいらの図書室でありジャズに心酔できる聖地でもありました。これらの店は45年の時間を経た今、一軒も存在しません。ヴィレッジヴァンガードの近くにあった名曲喫茶スカラ座も、今はラーメン屋神座になってます。このスカラ座で3日間だけボーイのバイトをしたことがあります。面接して配置されたのが3階の同伴室…いちゃいちゃしてるカップルに飲み物運ぶのだが、何だかアホらしくなりつまらん貌してるところを店長に見つかり「笑顔!笑顔…」なんて宣ったので「そんな作り貌出来まっせん!」とぶちかまし辞めてしまいました。若い頃のおいらはすべて直球勝負だったかも…気に食わないと、さよならだけが人生よ!みたいな生き方を選択し寅さんみたいにふらりと旅に出てました。おいらの人生、このまま風来坊で終わってしまうんだろうな…そんなこと考えながら20代〜30代過ごしていました。でも中身は濃かったよ!
そんなこと想い出しながら今日も新宿の街歩いてたら、前からジャズ喫茶DIGのオーナーが歩いてくるではありませんか…頭も白くなり身体も弱り、さすがに半世紀近くの時間を物語っていました。おいらだって然り…でも、あの日、あの時にキラキラと輝いていた精神は、前回の永山則夫再生のキラキラ魂に負けじと切磋琢磨してました。
そして、すれ違うオーナーの後ろ姿を見ながら…こうして生き残っているんだから、まだまだキラキラ魂磨いて、人のため世のために恩返ししないと…8月の終わりにそう思いました。

 





うまく描けたかな?


 

2012/8/31  岡田潔