【第424回】
宮崎県西都市に初めて行ってきました。遊びじゃないですよ!しっかりと仕事してきました…でも遠かった。我が家を出たのが午前9時半、西都市に着いたのが午後3時半。この時間だと軽くアジアの他国に行けますね。宮崎市から西都市行きのローカルバスで、久しぶりに地方の生活を垣間見ることが出来ました。通学の高校生、街に繰り出し買い物を楽しんだおばさん達、皺ごんちゃくになりながらも仲間との語らい会を楽しんだであろう老集団、病院通いの患者さん…バスの乗降客の会話の端々から様々な人生を見せてくれました。この情景を見るにつけ、当たり前の日常すら奪われた震災・原発被災者の無念の思いは如何ばかりであろうか…そんなことも何処吹く風、道路のあちこちに選挙を控えた出馬予定の候補者の欺瞞に満ちた笑顔のポスター写真が乱立していました。
西都市はマンゴー、宮崎牛の産地。小さな町なのだが、やたら飲み屋が多い。この日も、おいらが宿泊したホテルは、韓国のプロ野球チームの秋季キャンプにやってきた選手ご一行で満室。そう言えば昔から、この宮崎の地はプロ野球チームのキャンプ地で賑わったところでした。それで飲み屋が多いんだ…おいらも仕事を終え、居酒屋に顔を出しました。さすが南国、店内は明るい声で沸き返っていました…店内には、東国原前宮崎県知事がマンゴーを手にしたポスターが張ってありました。まだまだ、この人は地元のヒーローなんだろうか?
地方都市の衰退の話が、今尚聞こえてくるのだが、この静かな町で大地を踏みしめ、しっかり生きていくことも大切な選択肢の一つではないだろうか…漠然とした夢を追いかけ虚業に疲れ果て、流離っている多くの若者を輩出する都会は、やはり魔界である。
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