【第425回】
都会の野良猫見てると、スペインアンダルシア、サロブレーニャに住んでたときに一緒に暮らした尼庵を想い出してしまいます…今から28年前、ユーラシア、ヨーロッパ大陸を経てスペイングラナダ県サロブレーニャ村に辿り着きました。マンションを借り、日々散歩とコスタ・デ・ソル(太陽の海岸)を眺めていました。とある日、畑の側の穴蔵から、ひょっこり生れたばかりの子猫が顔を出していました。おいらに掠ってもらいたい表情をしてたので、おいらもひょいと持ち帰りました。見たことのないマンションのリビングでは怖がって、あちこちに隠れていました。最初は雄猫と思い珍太郎と付けたのだが、よく見るとオチンチンが無いので雌猫と判断し、清く正しく尼さんみたいに育って欲しいと願い、鳴き声と同じく二ヤン(尼庵)と名付けたところ、なんとオチンチンが発育し、こりゃびっくり雄だと判った次第…海岸を一緒に散歩したり、一緒にレンタカー借りてヨーロッパ、アフリカを旅したりと、この猫くらい様々な体験をしたことはないだろう…キャンプ地で泊まったときなんぞ傷だらけでテントに戻ってきました。地元の野良ちゃんと一戦交えたに違いありません。こうなりゃ我が子同然…とってもとっても可愛がりました。日本に戻るときは悩みました…日本に連れて行くべきか?この天然の旅情一杯のアンダルシアの自然児で暮らすべきか?幸いにして日本人が、この村に一人住むことになり預けることにしました。どう考えてもアスファルトジャングルと尼庵は似つかわしくありません。別れの日に、おいらが尼庵に向かってカメラを向けると、なんと尼庵、涙流してました。おいらと一心同体で暮らした尼庵も別れを察知したに違いありません…
そんなわけで、街、公園、旅先で猫ちゃん見る度に、二アンと甘えた声で鳴いてた尼庵を想いだしてしまうんです。
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