【第428回】
鹿児島県鹿屋市にあるフェステバロ社から「焼きからいもセット」が送られて来た。このからいもケーキを初めて知ったのは空港の売店である。なんだかヘルシーで美味しそうな感じがしたので購入した。なかなかの味であった。おいらの世代は、芋は所詮イモってな感じで、あまり欲求度の高い食べ物ではなかった。おいらも芋ケーキ何度か口にしたのだが、別に〜ってな感じであったのだが、このフェスティバロ社のケーキは、今までの芋ケーキのイメージを一新するくらいの感動があった…その後、この会社の創業者の記事を新聞で見るのだが、この方、青年時代は演劇を志し新宿の街を彷徨い、最終的には故郷に帰りフェスティバロ社を立ち上げ、芸術品を創り出すフロントランナーとして疾走中!何だか興味があり手紙を出したところ、早々に手紙を頂き、その後鹿児島で会うことになる。
お菓子作りも芝居創りも同じである。フェスティバロ郷原氏の話を聞いていると、若いとき演劇に夢と情熱を傾けた思いが、そのまま芋ケーキに変わっただけの話である。美味しいケーキを生み出す芋畑も見せてもらったのだが、錦江湾に面した農場から見える開聞岳(薩摩富士)を眺めていると、この畑が、まさに夢場所に思えてくる。人の思いは土に伝わり、芋に思いを託し、自ずから夢の贈り物として人の手に渡っていく…
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