【第464回】
新宿御苑、八重桜の樹の下で、5人のおじさんおばさんが何やら怪しい教義をやっとりました。
「はい、桜の花を心に近づけて…」
教祖らしきおっちゃんが、もっともらしく従順そうなおじさんに諭していました。
「もっともっと花に愛情を込めて、己の邪心を取り除いて…」
おじさん何だか泣き出しそうなお顔になってきました。隣のおばさん周りの人達を気にして集中力イマイチ、すかさずおっちゃん
「自分のなかの穏やかや感情に寄り添って…」
あとの2人のおじさん、おばさんも見様見真似で手の位置を変えたり、深呼吸したりしながら、なんとか宇宙の英気を取り込もうとしています。
おいら、こんなインチキ臭い光景を目にすると、なんだかワクワクしてきます。なんでやねん?あまりにもありきたりな時間、空間の垂れ流しの中、嘘でも良いから跳躍しようとする姿に魅了されるのかな…こんなことで幸せになれるかどうかは知らんけど、なにかをやらんと不安で仕方がない世の中の象徴かも知れませんな…
それにしても、大きな八重桜、何百年というもの時間、いろんなニンゲン観て来たんだろうね。樹木に耳を傾ければ、聞かせてくれるかも知れませんね…
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