【第467回】
先週の土曜日、風間杜夫さんが出演している「今ひとたびの修羅」を観てきました。尾崎士郎原作「人生劇場」を宮本研さんが戯曲にしたものです。共演者は堤真一、宮沢りえ、岡本健一、小池栄子、小出恵介など34人の出演者による舞台です。演出は劇団新幹線の、いのうえひでのり。商業演劇のノリですな…風間さんのヤクザの親分吉良常が絶品でした。あんなに黒々としていた頭に白髪が交じり、哀愁を帯びた表情での演技で舞台をきりりと引き締めていました。三國連太郎さん座長芝居で出逢った25才の杜夫ちゃんから39年、日本を代表する舞台役者の一人になっとりました。
それにしても、この物語に出てくる男達の侠気。ドライなこの時代には、なんとも懐かしい匂いがします。こんなにも男を思い、女を思う心情、泣けてきます。若い頃、小便臭い映画観で観た東映任侠映画が懐かしい。高倉健、鶴田浩二、池部良、藤純子が繰り広げる様式美的映像に痺れました…男は、こうやって筋を通して生きねばならんとですばい!
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