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【第596回】


昨日、柄本明ひとり芝居「風のセールスマン」初日を新潟市に観に行ってきました。新潟市に行くのは本当に久しぶりだ。この新幹線を真っ先に走らせたのは田中角栄だ。地元密着、優先政治家の最たる人物だ。まさしくブルドーザーの勢いで日本列島を改造しまくった…その弊害があちらこちらに散らばっているのだが、その後始末はおろか、今や平和憲法をなし崩しに変形しようとしている勢力が、数をチカラにしての傍若無人振りが連日報道されている…そんな思いで越後路の風景を車窓から眺めていると、角栄のおっさんも貧しき農民を何とか人並みにしてあげようと獅子奮迅の働きをしたんだろうなと、ふとたたき上げ宰相の気持ちもわからんではないが、がしかし…そんな感慨にふけっているうちに二時間ほどで新潟。新潟から乗り換えて豊栄駅に到着。芝居が上演される新潟市北区文化会館は五年前に建てられた立派な劇場である。さすが地方ですな。320台駐車できる無料駐車場があるんです。開演前になると駐車場から人の群れが会館に押し寄せてくる様は圧巻でした。500人収容できる会場はほぼ満杯。柄本さんのひょうひょうとした演技に観客はすっかり魅了され嬉しそうな顔してまたぞろぞろと駐車場に向かう姿を見届け、プロデューサーのおいらもほっとしました。地方公演の魅力は、東京では味あうことが出来ない風土に根付いた観客の反応です。非常にストレートでシンプルです。手垢がつきっぱなしの東京の捻れた見方を洗い流してくれる部分がおいらはとっても気持ちがよかです。

 




あんた何処から来たんや?

 

2014/6/30  岡田潔