【第124回】
四半世紀数々の傑作を送り出した劇場で最後の公演をしている。場所は下町江東区にあるベニサンピット。染色会社「紅三」の工場のボイラー室を改造して造られた空間は独特の味わいがある。劇場は激情!そこで働いてた人達の汗と涙と喜びがそのまま引き継がれ、物語を紡ぎだす人達を後押ししている感がある…トム・プロジェクトの公演「かもめ来るころ〜松下竜一と洋子〜」はそういう意味ではぴったりの公演かもしれない。
1月25日で東京公演は終わるのであるが、この松下竜一と言う作家の残した生き方を多くの人達に、芝居を通じて日本全国津々浦々伝えることがベニサンピットに対する恩返しなのかも知れない…この芝居は、愛と心の樹木が枯れ木になりそうな人にはぴったりなカンフル剤になるんですがね!
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