【第444回】
6年振りに来日した「スペイン国立バレー団」観てきました。いや、素晴らしい!1987年に創設され、初代芸術監督はアントニオ・ガデス。カルロス・サウラ監督のスペイン映画「カルメン」は良かったな…アントニオ。ガデス、ラウラ・デル・ソル、ギタリストであるパコ・デ・ルシアも出演し、スペイン人総掛かりで創りあげた作品でした。
このバレエ団の基本は、何と言ってもスパニッシュダンス。そして何処までもシンプルな演奏、人生の哀感を甘美な声で歌い上げるカンテ、血潮を掻き立てる手拍子、もうたまりませんばい!特に群舞の圧倒的な迫力には鳥肌がたちました…これは、まさしくスペインアンダルシアの血です。これはアンダルシアに住んだ経験があるおいらには痛いほど解ります。貧しいけれど、燦々と輝く太陽の下、日々まるでお祭りのごとく生活するアンダルシア人の生命力が怒濤のごとく押し寄せる踊りでした…何だか、家電の端末化した如きの日本人の肉体からはるか遠い身体を感じました。かつての戦後何年かの日本人にも持ち得た身体であったはずなのだが…
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