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【第457回】


3月15日(金)東憲司さん今年三度目の表彰式。第十六回鶴屋南北戯曲賞の授賞式が皇居前の東京会館で行われた。さしずめ東君は平成の鶴屋南北と言ったところか…彼が主催する劇団桟敷童子の面々も、今日はスーツ、着物でばっちりと決めている。桟敷童子の芝居のテーマは、いつも社会の底辺でひたむきに生きている群像劇である。劇団一人一人の真摯な生き方と、芝居の中身が見事に一致して、いつも心洗われる思いだ…おいらも二十代の頃テントを担いで日本全国巡業経験があるだけに、この劇団に対する思い入れは強いものがある…この手の芝居の先駆者に唐十郎さんがいるのだが、東君の戯曲は大変解りやすく、老若男女全ての人を鷲掴みするドラマツルギーを持ち合わせている。唐十郎さんは東京の下町、東君は福岡筑豊、共に生まれ育った風土に根付いた言葉が生み出されている点が強みだ。二人が幼い頃見聞きした事柄が身体に棲みつき、身体の中で熟成しポエムとして発せられる台詞は、時には激しく懐かしく観客の琴線に呼応し、浪漫の世界に誘ってくれる…まさしくお二人は、現代の鶴屋南北と言って間違いはない。
懇親会では、東京会館の美味なる食事を満喫させて頂いた。桟敷童子の皆さんも握りたての鮨を満足そうに食べておりました。それにしても珍しい東君のスーツ姿、これは撮らなくてはなりません…でも、やっぱりニッカポッカが似合うかな…

 




おめでとう!

 

2013/3/18  岡田潔