バックナンバー第459回

451.452.453.454.455.456.457.458.459.460 >>トップへ

【第459回】


この4日間で3本の芝居を観ました。渋谷シアターコクーン「八犬伝」新宿シアターサンモールスタジオ「あの記憶の記録」日比谷日生劇場「屋根の上のヴァイオリン弾き」いやいや東京は大変なところであります…こんなに芝居必要なのかしら?もっとお金使うところ別にあるんじゃないかしら?…自由な国だからこそ、なんでもありの表現、興業。おいらのその一翼を担っているわけですから責任も重大でございます。この4本を観て、改めて感じたことは、月並みな言葉かも知れないけど心魂ってことかな…どの芝居も、そりゃ手を抜いて創っているわけではないと思います…でも何故か、この4本の芝居の中で、今でも身体の片隅に居続けている作品は、100人ほどの小さなスタジオで上演された劇団チョコレートケーキ「あの記憶の記録」なんです。ホロコーストを題材にした作品なんですが、若き無名の作・演出・出演者が繰り広げる2時間のドラマは半端なものじゃございません。この困難な時代、何故演劇が必要なのか…この若き集団の出現は、プロデューサーであるおいらにとっては嬉しいものがあります。まだまだ芝居も捨てたもんじゃございません!そんなエネルギーを頂戴すると、まだまだ芝居創らないかんなと背中押して貰った気がします…今時の若いもんは!なんて諦めの気持ちを打ち消してくれる活きの良い若者と出会うと、おっさんは「よしゃ!」と元気になるもんですよ。
今日も、これからトム・プロジェクトが17年前に創った松尾スズキ作・演出「マシーン日記」を観に行きます。考えてみりゃ芝居創り続けて19年になるんだな…いやいや、まだ19年、老舗劇団なんぞは50年、80年なんですから、トム・プロジェクトは、まだまだひよっこですな…

 




神田川

 

2013/3/27  岡田潔