【第631回】
週末は、またまた観劇の日々でした。仕事柄しょうがないなと思いながらも、つまらんかったら何だか複雑な気持ちになっちゃいます…だって知り合いの俳優さん、作・演出家さん、制作の方々から招待いただいてる手前、面白くない!なんて面と向かって言えませんものね…
つまらん芝居も皆一生懸命、汗水たらしてやってる現状を知るあまり、そんなときは挨拶もせず、そっと劇場を後にします。本当は、良くも悪くも楽屋に寄ることなく帰るのが最良の策かもしれません。会えば良かったよ!面白かったよ!の一言は発しますよね。わざわざ楽屋まで訪ねて、つまらんかった!なんていう人は変人、奇人の類かもよ。この世界にも仁義はありまっせ…
土曜日、久しぶりに足を運んだ劇団唐組の「紙芝居の絵の町で」は感慨深い舞台であった。唐十郎さんが健康を害して大変な状況の中、古参幹部の役者さんと若い俳優さんが、力の限りを尽くして、唐十郎の世界を目の前に展開しようとする姿に感動しました。おいらが芝居で何を見ようとしているかと言うと、舞台に立つ人間の背後に去来する人間性、きざな言いかた方かもしれませんが魂です。心のない芝居ほど、不愉快なものはありません。どんなに下手くそでも立ち姿に心あれば許せます。一番頭にくるのは下手で心無い芝居。こんな人たちは、間違いなく演劇刑務所行きですばい。
小雨降る神社に立つテントが凛々しかった…思えば、唐十郎率いる紅テントを観だして、なんと47年になります。
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