バックナンバー第639回

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【第639回】

健さんが逝き、文太さんが亡くなった…昭和の終わりだ。いや、とっくに終わってるか。それにしても、こんな男優達は、もうでてこないね。時代が創り出したスターですな。最近、テレビ欄なんかで、あの大物俳優が激白!なんて記事が出てるのだが、見てみたらチンピラ男優。正確に言えば、大物俳優は、この二人で打ち止めですな。大物といえば、三船敏郎、三国連太郎、勝新太嘯ネんかをいうんじゃありませんか?この世知辛い世の中では、豪放磊落を兼ね備えた俳優は出てきませんね。それにしても、この二人の映画は理屈抜きに面白かった。芸術映画、超大作でもなくB級映画の傑作を生み出したのは、二人の俳優の希有なる才能だと思います。男の寂しさ、可愛さ、餓鬼っぽさ、すべてを持ち合わせた魅力は男心を捉えて放さない。文太さんは、俳優をやめたとたんに反原発、反戦、有機農業など社会的な発言行動に突き進んでいった。そりゃそうだよね、役者稼業のときは、いろんなしがらみがあって政治、宗教的な発言は出来ませんよね。一人の人間として死を予感しながら、未来の日本、子供達のために邁進した姿勢は、大いに共感できます。
十分に紅葉した枯れ葉が落ちていく様は、まさしくこの二人の生き様を表しているようでもあった。
合掌。

 




落日

 

2014/12/2  岡田潔