トムプロジェクト

2015/09/24
【第735回】

散歩は心のオアシスだと思っています。いつもの通りを歩いていると、いつものお店がなかったり、違う店に変わっていたり、おいらの気持ちも微かに動揺したり、何かしらの想像が頭を巡ります。昨日も、吉祥寺の人気飲み屋の看板が変わっていたので、なんでやろ?予約しないと入れないくらいの店が潰れるわけがないし、心境の変化でもあったんかしら...日本酒と魚の美味しいお店が、お好み焼き屋さんになったんですから、こちとらも色々と想像してしまいます...自分の店でもないのに考えたって仕様がないとは思いますが、ここが散歩の達人の楽しみなんです。その土地その土地には、人の歴史があり多くの人達の思いがびっちりと詰まっているのでございます。その思いが幻となってしまうんですから、そりゃ愛おしさと感傷が千々に乱れ、しばし、その場所から離れることが出来ません。その思い入れこそが己の感性を養ってきたのかも知れません。それぞれの思いの連鎖が、又、新しい歴史を創ってるといってもいいんじゃございません。そんななか、時代がどんなに変化しようとも、建物が古くなろうとも、頑なに木造の築50年以上は経ているだろう家屋も存在します。これも、ついつい歩みを止め繁々と感慨深く見てしまいますな。昔の時代を彷彿とさせると同時に、人の営みを必死に守ってきた家の存在に深く敬意を抱かざるを得ません。そり曲がった板塀、剥げ落ちた玄関の門、色褪せた瓦、よくぞ生き延びた!思わず手を合わせたくなります...まさしく温故知新でございます。

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お待ちしてました

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