トムプロジェクト

2016/02/08
【第781回】

立春も過ぎ、春の匂いがしてきました...2月生まれのおいらとしては、この如月大好きです。この寒い時期に敗戦後、苦難の逃避行を乗り越え外地から引き揚げ奇跡に近い形でおいらを生んでくれた母に感謝です。ともすれば残留孤児、流産、母共々の死、このいずれかに該当し、今のおいらがこの世に存在しないことを思えば、一生懸命に生きねば罰が当たります。

この2月の寒さと、時折訪れる春の予感がなんだか心身をさわさわとさせてくれます...もうすぐ春が来るんだね...重い衣服を脱ぎ捨て、身も心も軽やかに春の陽光を浴びる姿を想像するだけでも嬉しくなってしまいます。軽やかで優しい音色を感じさせる春を待つこの如月、「生更ぎ」の意味で、草木の更生することだそうです。

もうすぐおいらも70才。古希ですばい...我ながらよう生きんしゃったばい...昨日、久しぶりに博多に居る母とテレビ電話しました。母も来月で98才になります。脳梗塞で倒れ車椅子生活を余儀なくされながらも必死で生きている母もそろそろかなと思いきや、あまり声は出さずともきりりとした眼差しは、父を早く亡くし5人の子どもを一人で育て上げた、逞しい「よいとまけの母」でありました。電話を切るときに又言っとりました「無理したらいかんよ...」母にとっては、いつまでも40過ぎまで風来坊であったおいらの姿が眼に焼き付いているのかな...おいらも少しはましになったけん、かあちゃんもう心配せんでよかよ...

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冬枯れの狛犬

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