トムプロジェクト

2016/05/18
【第817回】

一昨日、埼玉県志木市で今年の風間杜夫一人芝居「正義の味方」がスタートしました。再々演になるのですが、この日の公演を観て、なるほど芝居は歳月を重ねて熟成するものであることを再認識した次第です。勿論、風間杜夫という役者が人間として過ごした時間、俳優としてこなした仕事の両者を含めての積み重ねが、舞台上に見事に結実しているさまを見るにつけ、まさしく役者の仕事は生き方そのものだと、改めて思った次第でございます。一人芝居は確かに難しいジャンルです。下手すれば退屈極まりない演目になってしまいます。つまらん役者を一時間半観せられてごらんなさい、そりゃ苦痛、拷問以外の何ものでもありませんことよ...この一人芝居の面白さは、当然のことながら登場しない相手役を観客が想像する楽しみにあると思いますね、風間杜夫の絶妙の間と、愛嬌と、色気と、エネルギーあってこそ成立する世界であることは確かなことなんですがね...

終演後、いつものように一杯やったのだが、酒がすすむ中「来年もやろうか!」という言葉が飛び出す始末。この辺の乗りの良さ、意欲、とても67歳になった人とは思えません。死するまで、芸に対する飽くなき闘志が衰えることなく舞台人として突っ走っていくんでしょうね...

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志木市にあった古い蔵

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