トムプロジェクト

2016/12/09
【第900回】

昨日、亀戸文化センターに「挽歌」を観に行ってきました...芝居は見違えるほど進化しています。役者の情動が激しく交錯し、よりドラマチックになっていました。俳優の貪欲な表現への拘りが芝居を立体的に構築していくことを改めて感じた次第です。

終演後、楽屋に行こうとして劇場の通路を歩いていると、一人のご婦人がハンカチで顔を覆い咽び泣きをしていたので、おいら声を掛けました。すると65歳くらいのご婦人一言「帰りたい...」おいらすかさず「福島の方ですか?」と問いかけると「浪江町...」ぽつり答えてくれました。おいら、もうそれ以上話しかけることが出来ませんでした。江東区は福島からの避難民を沢山引き受けています。多分、区の広報を通じ今回の芝居を観劇したに違いありません。この芝居は、大熊町から同じ福島県の会津若松に避難してきた人達の、故郷に対する愛着を描いたものです。このご婦人が、大熊町と浪江町がダブったのは至極当然だったと思います。平成28年11月10日現在、全国の避難者等の数は、約13万4千人、全国47都道府県、1,102の市区町村に避難生活を余儀なくされています。

おいらは又しても声を大にして言いたい。オリンピック処じゃないだろう!今年起きた熊本地震後の被災地もままならないことも含めて、もっとメディアは現状を把握し報道しろってわけだ。韓国の大統領のスキャンダルばかりおもしろおかしく報道し、肝心の被災者のことは過去だと言わんばかりの、この国の在り方に異議申し立てをしたい。

そして、鹿児島の川内原発の再稼働、原発再稼働反対で当選した三反園知事あんたはなんじゃい!人は権力を手にすると簡単に寝返る良い見本です。原発の輸出、再稼働の動き、カジノ、この国は知らぬうちに汚染に塗れたしまりのない列島になりますぞ...

今も、昨日の劇場のご婦人の悲しみ、悔しさをこらえながら涙する顔を忘れることが出来ません。

900.jpg

夜空と紅葉

 

<<次の記事 前の記事>>