トムプロジェクト

2017/04/12
【第941回】

50歳を機に朝日新聞の記者を退社した稲垣えみ子さんの「魂の退社」読んでます。小さい頃から優等生で、優秀な学校を卒業し朝日新聞に入社、まあそれなりにいい立場まで行ったのだが、このままでいいのか?と疑問を持ち退社。まあまあの給料で衣服、化粧品など買いまくり、それなりに満足していたのだが、香川県に赴任し安い讃岐うどんを食べながら暮らす人達を見てはたと気づいたそうな...「お金が欲しい」と思う人の処にはお金は集まらず、「別にお金なんていいや」と思った瞬間に、お金の方から近づいてきて、しかもなかなか離れていかない。そうなんです!男女の恋愛にも通じるところがあるんですね...人の欲望なんて果てしなく、そんな資本主義社会のシステムに乗っかって物欲、出世欲に取り憑かれた亡者になっちゃいけませんって事よ...会社は一生面倒みてくれるわけでもないし、定年後の第二に人生をいかに有意義に過ごすことを念頭に置いて早めの退社をしたそうな...その手始めに、今まで世界にはあらゆるものが「ある」世界を追求した彼女は、「ない」ということの中に実は無限の可能性があるのではないかということを実践したんですね。先ずは電子レンジ、扇風機、こたつ、ホットカーペット、電気毛布など電化製品を捨て始めたんです。どれもあったら便利と思い込んでたものが、なきゃないで済ますことが出来たんですね。電子レンジの代わりに蒸し器、ホットカーペットの代わりに湯たんぽ...少し工夫すれば快適であったり面白かったりするわけです。冷蔵庫がないと無駄な買い物もしなくなり日々新鮮なものを食べてたそうです。

彼女の生き方が全てではないですが、このなんでも「あり」の世の中に疑問を抱き、「ない」ことから想像する事から始まった時代に回帰することも必要ではないかしら...

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新宿御苑

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