トムプロジェクト

2017/06/21
【第966回】

新宿高野もやってくれるじゃないの...最近の新宿、儲け主義が蔓延し、商売を度外視しておもろいことを企画するところが少なくなりました。おいら早速覗いてきましたがな。唐十郎の状況劇場トラック公演写真、早稲田小劇場の公演チラシ・パンフじっとみつめていると出演者のほとんどが亡くなっておりました。中にはおいらも一緒にやり、昨年なくなったKさんの名前もありました。まさしく昭和は遠くになりにけり...展示場に並べられた写真を眺めていると、あの日あの時の熱気が蘇ってきます。夜毎ふらふらと彷徨っていた新宿の街こそが、おいらを育ててくれていたんだなという思いに駆られます。アングラ×ストリート×ジャズ、この言葉こそ新宿に与えられたベストなフレーズではなかろうか...アングラが日本の演劇を解体し更なる劇空間を創出し、網の目のように拡がるストリートが様々なファッション、パフォーマンスを生み出し、そのBGMとしてアバンギャルドなジャズが街を盛り立てていた。あの東口アルタの前に昼間から寝そべっていたヒッピー達は、再開発される以前の新宿東南口にいつも佇んでいたストリッパーの姐さんは、おばあちゃんばかりでやっていたおでんやの人達は...カオスの街に自分の人生を重ね合わせ、ドラマチックに生きてきた人達が居たからこそ、新宿はいつもおいらの血を騒がせたに違いない。あゝ新宿...今日も雨にも負けず風にも負けずぶらついておりますがな。

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カオスの街

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