トムプロジェクト

2017/08/07
【第985回】

広島に原爆が投下されて72年...昨日がその日でした。一年のこの日だけが、熱視線が注がれるのも何となく違和感を感じます。おいらの原爆の原点は、小学生の頃に博多で新聞配達していたときに目にしたケロイドの傷跡が残った女性の姿です。大浜の遊郭地帯で朝早く玄関前を掃除していた20代後半の女性は、人の目を避けながらいつものように道路を掃いていました。おいらは子供で、その傷が原爆によるものとは知らずにいたのですが、ある日娼婦のおねいさんが「あの人はね、広島で原爆にあってあんな顔しとるとよ...放射能浴びとるけん、気をつけんしゃい。」今にして思えば、このおねいさんも随分失礼なことを言ったもんだと思います。でも、まだまだ戦後間もない頃で仕方なかったかも...
あれから72年、世界で唯一の被爆国でありながら世界の非核化に対する運動に対して、あまりにも腰が引けてる現状に腹が立ちます。4月下旬からニューヨークの国連本部で開催された核拡散防止条約(NPT)再検討会議では、核兵器の非人道性が中心議題の一つとなり、107の国々がオーストリアの提唱した核兵器禁止文書に賛同したにも関わらず、アメリカの核の傘の下にある日本は、アメリカに配慮して賛成しなかったという事実。世界の笑いものでございます...昨日の広島の式典でもアベちゃんよく挨拶できるなと疑ってしまいました。
それにしても、この世界、軍需産業がお盛んなところが潤い、一方では平和を唱え、核を持つ国が、持たざる国が開発すれば阻止する...なんとも不条理、無茶苦茶でござりまするがな!でも、諦めないで、戦争のない平和な世界を目指す旗は死守したいもんでございます。

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暑さにも負けず

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