トムプロジェクト

2017/12/12
【第1033回】

先週の金曜日から昨日までなんと5本の芝居を観ました...金曜日は風琴工房「ちゅらと修羅」沖縄の苦難の歴史を、あの手この手で表現しているのであるが今ひとつこちらに上手く伝わらなかったのでは?土曜日は劇団チョコレートケーキ「熱狂」「あの記憶の記録」の2本立て、5年前に上演された作品で、今回が再々演。この2本の作品は、ヒトラー率いるナチスとユダヤの民との対をなす作品なのだが、何度見ても観客の心に十分訴えかける内容を持っている。異国のことであり過去のことであるのだが、今の日本の状況に呼応しているところが演劇的である。芝居の魅力は今まさにリアルに、生身の人間が演じるところに魅力がある。若い役者がひるまず精神と肉体をぎりぎりまで追い込んで表現する様は実に清々しい。日曜日は、水戸芸術館ACM劇場プロデュース「斜光」戦後最大の誘拐事件と言われる「吉展ちゃん誘拐事件」(昭和38年発生)を題材に刑事と犯人との取調室でのやりとりを緊迫感溢れる手法で描いた作品。作家は劇団チョコレートケーキの古川健...いやいや今年はたくさん書きました。と言うより執筆依頼が山のようにきて大変な年だったと思います。もはや人気劇作家。多忙で作品が荒れないかと心配さえしてしまいます。昨日は青年座の「断罪」中津留章仁が老舗の新劇団に書き下ろした作品。芸能事務所を舞台にしているのだが、そこは中津留作品、日本の闇の部分を織り交ぜながら社会派作品に仕上げています。

4日間でこれだけの作品見ると、さすがに疲れますな。お尻を何回もずらしながらも、何とか堪え忍び怒濤の観劇会を終えることが出来ました。それにしても東京は凄い!日々、あらゆるジャンルの芝居が果てしなく上演されてるんです、が、くれぐれも嗚呼来るんじゃなかった!時間とお金返して欲しい!なんて事だけは避けてくださいな。衰えていく心身が加速度的にガタガタになりますばい...怨劇だけは許してくんろ。

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師走の公園

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