トムプロジェクト

2018/01/29
【第1049回】

トム・プロジェクトでは芝居以外にも「ありがとうの手紙」というステージをやっています。先日も四国中央市土居町文化会館でやってきました。地元の人達から「ありがとうの手紙」を募集し、その手紙を下條アトムさんの温かい語りで読み上げ、沢田知可子さんの歌声を交えながら進行する舞台です。先日の公演で読み上げた方の娘さんから、当日は遠方(福岡)なので参加は出来なかったのだが、お母様から「本当に素敵な想い出が出来た...」とうれし涙の電話がかかってきたとのことで感謝の手紙が送られてきました。取り上げられたお母様の手紙は次の一文です。


                  あなた、ありがとう

そちらの天国は、どうですか。この世とあの世、どこに境があるのでしょうね。あなたが私の側にいなくなって、はや三年。朝、「いってらっしゃい」と見送ってそのまま。あなたの死の知らせ。もうパニックになって頭真っ白に。苦しかった、痛かった、心細かったね、一人で寂しかったね。もう、たまらなくて、いとおしくて、いとおしくて...。心の底が、哀しみにまみれた時は不思議と涙出なくて。会いたい、会いたい、声聞きたいよ。あなたとは、大学入学時に、知り合い、その時、ピッピッピッと電流が走り、このね。沢山笑わせてあげてね。沢山の人に幸せをあげてね。みんなをあたたかくしてあげてね。あなたの隣で、あなたの笑顔に包まれて、すごした全ての時間、本当に幸せでした。ずっとずっと一緒にいると思っていたのに。私の心のフィルムに焼き付いているよ、十年後も、二十年後も、いつまでも。私いい奥さんだったかな。今を大切にいきていくね。この星であなたと出会えたこと、あの星でもあなたと会いましょう。言い尽くせない、沢山の思いを、この言葉で「ありがとう」。わたしがそちらに行ったら、一番先に見つけるから、必ず見つけるからね。胸に飛び込んで行くからね。抱きしめてね...

 


そして、お母様が公演当日と次の日も嬉しくて、そして亡き夫を思い出してなかなか眠れなかったほどに喜ばれていたとのこと...母に最高のプレゼントを本当にありがとうございました。そして、空の上の父への想いを届けてくださって、本当にありがとうございました。と娘さんからのありがとうの手紙。
感謝の気持ちが、ありがとうになって、世界のあちこちに羽ばたいていけば戦争なんぞは無くなる筈なんですがね...日々、己の心に「ありがとう」の文字を刻み込み生きていきたいものです。

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ありがとうの手紙

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