トムプロジェクト

2019/03/11
【第1197回】

8年前と同じ時間、北品川で芝居を観劇中に起きた地震を思い出しながら書いています。まさかです...災害が起きる瞬間の前まで、さりげなく日常が続いていたのに...この時期になると、いつものようにメディアが一斉に東日本大震災のことを取り上げます。取り上げないよりはましなんでしょうが、なにせ健忘症大国日本ですから必要不可欠なことでしょう。メルトダウンした核デブリはどうするんでしょうか?核廃棄物は廃村になった地に置いたまま永久に住めない土地になるんでしょうか?再度、地震が起きた時は完全にアウトです。そして、いつまでも消えることのない心の傷。昨日もテレビでやるせない気持ちで訴えていました。二階建ての家で一階部分が全壊した人は最高200万円の保障しかないとのこと。朽ち果てた部屋を見ながら「死んだ方がまし...」と諦め顔。禁止地区が解除になり我が家に帰っても、以前は畑があったところに除染した土の山。窓からの眺めがこれじゃいたたまれない気持ちになってしまいます。来年のくそ暑いオリンピック何ぞ中止にして、これらの人たちを救え!って話だろうにと思いますが...景色ぶち壊しの防波堤、本当に役に立つんだろうか?なんだかこの国の政治、行政の過去の在り方みてると、ゼネコン含め大企業を潤わせるための手立てとしかみえません。そうやって疑いたくなることの連続でしか見れないこの国の貧困なシステム。と、ボヤいていても前には進みません。ここは心ある人たちが、無償の行為で被災地に出向き心のケアをしています。そして、忘れてならないことは、この震災の記憶をいつも留め置き、次なる災難に備える想像力を働かせることが肝心なことだと思います。こんなことを体験していながら、いまだに原発再稼働なんてこと言ってるやつはホンマにアホですな!

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2019年3月11日 穏やかな新宿

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