トムプロジェクト

2019/08/02
【第1245回】

猛暑が続いています...熱帯夜で寝苦しい夜もなかなか大変です。おいらは寝る前に読書しながら、ウトウトタイムを待ってます。便利な時代になったもので、枕元に置くライト、ブックスタンドともに安価な値段で売ってます。静かなピアノの音色も眠気を誘います。いやいや大変な時代になったもんでございます。おいらの子供時代は蚊帳を吊り、ぐーすか鼻提灯で、ほんわか気分で寝とりました。でも、あの蚊帳の中から観る風景はなんとも摩訶不思議な世界でした。人の気配、吊るされた蚊帳の形、蚊帳越しに見る人影はまるで幽霊のようでもあり怖かった。蚊帳に入るときは何回か蚊帳を振って入らないと良く叱られたものだ。同じ部屋が異形の空間になり、異次元の世界に居るなんて子供にとっては面白可笑しい世界でした。

今や、クーラーがないと過ごせない時代になっちまいました。そのクーラーの排気と車両の排気、そして照り付ける太陽がアスファルトに反射して街路は地獄の熱さ。道行く人の表情は、寝不足と疲労から、明らかに苦悶に満ちています。そんななか、大道芸人は暫し休息をとばかりに涼風代わりの音色を届けていますが、この暑さでさすがに立ち止まって聴く人は皆無...でも、この心意気がいいじゃありませんか。淡々と流れるアンデスの曲に、あのマチュピチュを想像しました。と、想像した瞬間、アンデスの風がおいらの身体を吹き抜ける感覚に襲われました。

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アンデスの風

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