トムプロジェクト

2016/08/31
【第860回】

昨日、稽古場に劇団チョコレートケーキ「治天ノ君」の最終稽古を見学。この芝居は初演した時に数々の賞を受賞した作品である。この作品の企画を聞いた時は大丈夫?と心配しました。だって、あの大正天皇を真正面から取り上げると言うんだからビックリポンですわ。おいらも昔、三島由紀夫の自決直後に三島作品を上演し楯の会に脅しを掛けられたり、昭和天皇 がハイジャックに遭遇するテント芝居を強行し右翼の殴り込みを警戒した経験があるので、ちょいと引いてしまいましたがな...所が、恐れず怯まず挑戦して行くところが勢いのある劇団なんですね。まさか、歴史の闇に葬られた天皇を白日のもとに曝すとは誰しも想像がつかないどころか感動の嵐でございました。

昨日の最終稽古で改めて思ったことは戯曲がしっかりしていること、役者の表現の規範がぶれないことが、この芝居を見事な人間ドラマに仕立てあげてるんですな...若い集団が邪魔な感情を程よく抑制しクオリティの高い舞台を創りあげている姿を見て、おいらもまだまだ芝居も捨てたもんじゃござんせんと思いましたな...無秩序に感情の赴くままに舞台で騒ぎまくってる若い劇団の人達には是非観てもらいたいですな。

明日から旅公演が始まります。それにしても劇団名チョコレートケーキと大正天皇、どう考えても結びつきませんがな。

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懐かしき美容室

 

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