トムプロジェクト

2016/02/26
【第788回】

再開発、誰のためにやっとるんじゃい、怒るで!...渋谷駅近くのガード下にあった「さつまや」、昭和45年から昨年9月まで、おじさん達の聖地だった居酒屋がまた消えてしまいました。渋谷と言えば、若者がわいわいがやがや騒ぎまくって、おいらは昔から好きな土地ではありませんでした。要するにガキの街ですな。そんななか、しっとりと大人の会話を楽しみながら西郷さんと呼ばれている芋焼酎「さつま小鶴」のとっくりを傾けながら、きびなご、さつまあげを頂くこの店はおいらも大好きな店でした。隣り合わせたお客とも気楽に声を掛けながら、悦楽の時間を過ごせる店なんて、そうそうありませんことよ。

それにしても、下北沢、新宿などなど再開発の名のもとに人間の街が崩壊しつつあります。オリンピックのため?土建屋さんのため?この国からニンゲンの匂いが無くなっていく危機を感じます。無味無臭の街にして、金儲けに走る鉄面皮の輩の薄気味悪い顔が浮かびますな...街はニンゲンの醸し出す人生の味から創りあげるもんであって、机上の論理で作られるものでありまっせん。次々と消えていく建物の跡に建てられるビルは唯の箱にしか見えません。更地になった空き地から聞こえてきます...ニンゲンを返せ!

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おつかれさま...ありがとう

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