トムプロジェクト

2016/09/28
【第871回】

新宿高島屋の前に巨大な猫が寝そべってました...おいら思わずスペインで一緒に住んでた尼庵(にあーん)を思いだしちゃいました。スペインアンダルシアの海岸に位置する片田舎サロブレーニャの畑で生まれたての猫を拾って(いや、畑の穴蔵からひょいと顔を出したところを引っこ抜いてきて略奪してきたのかな?)それはそれは可愛いお顔をしとりましたよ。おいらは我が子のように溺愛し、尼庵もおいらを親と慕い離れられない関係になっちゃいました。昼間は海岸を、サトウキビ畑を散歩し、おいらは昼間からワインを痛飲しサトウキビ畑で昼寝している間、尼庵は畑の鼠と格闘したり、虫と戯れたりまだ見ぬ世界につぶらな瞳をクルクルしとりました。おいらが大きな声で名前を呼ぶと、すぐ戻ってくるあたりがめんこいめんこい、目に入れても痛くない!ほどの猫可愛がりぶりでしたでござんしたよ。
そんな時間もそう長くは続きませんでした。この村を去ることになり、日本に連れて帰るかどうか迷ったのだが、この猫を預かってくれる人が居たので、尼庵はやっぱり生まれ育ったアンダルシアの自然の中が似つかわしいと判断し残すことに相成りました。別れの日の尼庵の瞳からの一粒の涙を見たときは、さすがのおいらも泣いちゃいました。
あれから何十年、もちろん尼庵はこの世に居ないのだが、あの世でおいらのこと想い出しながらこの写真のように悠然と寝そべり「はやくおいでよ...」と手招きしているに違いない。
尼庵よ、まだまだおいらはこの世にいるのだが、いずれは逢えるかもにゃー。

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まねきねこ

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