トムプロジェクト

2017/02/16
【第922回】

デヴィッド・ボウイ大回顧展に行ってきました...天王洲アイルの倉庫でやるってのもどんなもんだか興味がありました。とにかくかっこいい男でしたね。音楽に留まることなく、役者、絵描きなどなど自分の生き方も含めて、表現に貪欲に戦い続けた真のアーチストであったと思います。貴重な資料、衣裳、映像が各コーナーに陳列されてたのだが、おいらの目を惹き付けたのはパントマイムの映像と三島由紀夫を描いた油絵。イギリスの舞踏家リンゼイ・ケンプ氏の下でダンスとマイムを学んだ彼の奇想天外なパントマイムは、彼にとってのアートが、先ずは己の肉体の可能性をひとつひとつ検証しながら進めていったことを証明してます。これがなかなか上手いんです、才能ある人はなにをやっても様になります。三島由紀夫の絵には驚きました。キュビスムの旗手ピカソを思わせる絵は、まさしく三島由紀夫の本質を捉えている傑作。この絵を描いていた時期は、彼が覚醒剤を断つためにドイツに滞在中での作品。彼は日本的なるものに興味を持ち、あの独特のメイクは歌舞伎の手法を取り入れてのことらしい。入り口で渡されたヘッドホンからは、コーナーごとに彼の声、歌が流れ、彼の全貌を全身で感じ取れる工夫がなされている。
おいらの1歳下だけに、世代的に連帯を感じます。おいらが見た世界と、彼が見聞きした世界のどこかに共通点があるのではないか...そんなこと考えながら2時間があっという間に過ぎてしまいました。

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出火吐暴威

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