トムプロジェクト

2017/06/09
【第962回】

東中野にある映画館ポレポレ中野は志のある数少ない映画館だね...飯田橋ギンレイホールもいいんだが、こちらは世の中でヒットした佳作を集めての安定路線。それに比べてポレポレは採算度外視で作品を選択し、世に問うてる姿勢に拍手を送りたい。誰が見ても興行的に成功しないんじゃない?と思う作品を時間を掛けてじっくりと上映し続ける粘り強いスタッフの精神は半端じゃないと思う。
「人生フルーツ」かつて日本住宅公団のエリートだった建築家が、日本の高度成長時代に建てたニュータウンに異を唱え、自然と共有出来る家を建て、雑木林を育てながら自給自足に近い生活を描いたドキュメンタリー映画。自分で育てた果物や野菜を食べながら四季折々の季節を堪能しながら、土と戯れ、ものを大切に扱う日々が美しい。ありふれた日常がこの夫婦の一挙手一投足によって新鮮に感じられるのも感動的である。壊れたものも自らの手で修理し、普段会えない人達に絵手紙なんぞを送る姿が微笑ましい。
この映画のラストに述べられるこの言葉がこの映画の全てを表しているのではないか...

家は生活の宝石箱でなくてはならない(ル・コルビュジエ)
長く生きるほど、人生はより美しくなる(フランク・ロイド・ライト)
全ては、自然が書いた偉大な書物を学ぶことから生まれる、人間が造る物は、既にその偉大な書物の中に書かれている(アントニ・ガウディ)

962.jpg

生きてることは素晴らしい!

<<次の記事 前の記事>>