トムプロジェクト

2017/07/14
【第976回】

昨日は昼夜芝居を鑑賞...マチネは70人ほどしか収容できないSpace早稲田での公演。文化庁委託事業「平成29年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」と銘打った「SCRAP」舞台は大阪砲兵工廠跡地、ここの鉄くずを掘り起こし生活の糧にしていた朝鮮人集団を描いた芝居。目と鼻の先で12人の役者が演技する様は、はじめて芝居を観劇する人はおっかなびっくりするでしょうな。大きな声で罵倒しあうシーンなんか迫力を越え恐怖すら感じますがな...台本を書いたシライケイタさん、おそらく開高健の「日本三文オペラ」を基にして書いたんじゃないかしら...この群像劇を演出家の日澤雄介さん巧みにこなしていました。勢いのある演出家であることを再認識しました。国の予算もこういった若手の表現者を育てるお金にじゃんじゃん使って欲しいですな。
終演後、早稲田から高田馬場駅まで久しぶりに歩きました。嘗て多くあった古本屋さんも少なくなり寂しい感じがしましたが、名画座早稲田松竹は健在でした。2本立ての名画座は都内では飯田橋ギンレイホールとここだけになってしまったのではないかしら...名画座はおいらの青春そのものでした。
ソワレは、マチネと真逆の渋谷のシアターコクーン。音楽劇「魔都夜曲」豪華なキャストと生演奏のJAZZで賑やかな舞台を繰り広げていました。それにしても入場料¥15000~¥5000、一日働いたお金を一夜で使ってしまうなんとも贅沢な観劇です。村井國夫さんが劇中で歌った「夜のタンゴ」が、とっても素敵でした。さすがベテラン、渋い、格好いい...芝居は豪華になればなるほどお金がかかるのは仕方がありません...でもでも、なんとか入場料を安く抑えて良質な芝居を創り出すのも、なかなか愉しいもんでござんすよ。

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名画座健在!

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