トムプロジェクト

2019/03/15
【第1199回】

昨日、来週20日から上演する「黄色い叫び」の通し稽古を観に行きました...この芝居2011年に起きた東日本大震災の年に上演した作品です。トラッシュマスターズの主宰者である中津留章仁が、稽古中であった作品を書き改めて、果敢に攻めの姿勢で震災に向き合った画期的な作品です。あの震災を前にして、ほとんどの人が茫然自失の状態に陥ったのは確かです...芝居なんて、この大惨事の前ではクソの役にもたたないじゃないか?芝居だけではなく、表現そのものが絵空事にしか見えないくらい自然が繰り出す強烈なパンチでございました...こんな時に中津留章仁は、この作品も含め2011年に震災に関する作品を2本書き上げ公演したんですから大した男です。この事だけで世界の演劇史に名を残してもおかしくないと思います。表現者は何時如何なるときでも、時代に対峙しなければならないと思います。震災後も日本のみならず世界各地で数々の災害が頻繁に起きてます。この作品は、まさにその後の世界情勢を予見させる物語であり、人の在り方を地方の青年団という設定で描いたものだと思います。

ところで、4度目の今回の芝居の仕上がり具合は?昨日観た範囲では、又新しいドラマが進行してるなと言う感想かな...トム・プロジェクトでは珍しい10人の群像劇。皆、中津留君の厳しいダメ出しを浴びながらいい汗かいていました。若者が真摯に芝居に向き合ってる姿、おいら好きです。しらけないで、内向しないで、ましてや人騙しなんかの稼業に足踏み入れないで、いい汗かいておくんなせい!と若者に言いたいのでございます。

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稽古場に行く途中

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