トムプロジェクト

2017/11/15
【第1023回】

昨晩は渋谷シアターコクーンにて「24番地の桜の園」を観劇...高橋克典、小林聡美、風間杜夫出演によるチェーホフの最後の戯曲「桜の園」を遊び心満載の演出家、串田和美が賑やかしく創りあげた舞台。この舞台の主役は休憩を挟んで幕があがると同時に、後方で乾し草を黙々と食べている一匹の本物の山羊ではなかったのではないだろうか。時には演じる役者の姿をしげしげと観察し、あたかももう一人の演出家のようでもあり、まさしく哲学者の佇まいでありました。役者の演技よりも山羊は山羊でしかない山羊のほうがどれほどリアルであったことか...なんだか演技の本質をつかれたような後半80分の舞台でした。幕間に「途中で入るときはかがんで入って来いよ!」と怒鳴ったお客の表情もリアルでしたな...品の良い観客で埋め尽くされた会場で、突如繰り広げられ茶番劇も何故かリアルでありましたな。公衆の面前でなかなか吐けない台詞です。二幕の幕が開くとどつかれた客は別の席に移動してましたな。そのどついた怖そうな男が、何故かオペラグラスで必死の形相で舞台に見入っていたのには笑っちゃいましたがな...終演後、杜夫ちゃんと一杯。今、日テレで杜夫ちゃんが出演している『先に生まれただけの僕』の監督、プロデューサーも一緒で盛り上がり危うく終電に間に合わないかと急いで帰宅...今宵もお疲れさんでした。

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こんな季節になりました...

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