トムプロジェクト

2018/02/23
【第1059回】

漣ちゃん死んじゃった...早すぎるな。漣ちゃんと逢ったのは40数年前だな、赤坂の古アパートの1階のアトリエで転形劇場の芝居を観たのがきっかけだった。この頃のアングラ俳優は皆喰えなくても、芝居になると狂気じみた形相で観客に対峙していましたな。先輩の俳優に混じって、痩せこけた漣ちゃん負けじと自分の思いを激白...今は無き新宿昭和館の映画館前で偶然に会ったときは、ピンク映画でなんとか喰ってるよ!なんて言ってたな。映画館の掲示板のポスター見ると出演者に大杉漣と書かれておりました。何とかしなきゃ!ピンクだろうが何だろうが家族を喰わすために男優も裸になりまっせ。いくらか売れたときに、舞台に立つのだが、なかなか上手くいかなくて、俺やっぱり下手なんだなとおいらに呟いておりました。漣ちゃん、その上手くやれないところが漣ちゃんの魅力だよと、おいら励ましの言葉をかけました。その後は、あの人柄の良さと、表現者としての飽くなき奮励でバイプレーヤーとして確固たる地位を築き上げました。まだまだ、これからいろんな顔を魅せてくれる筈だったのに...本人が一番残念がってるに違いありません。でも、漣ちゃんが遺した作品たくさんあるし、貴男の魂は貴男が好きだった人たちに引き継がれていきますから大丈夫ですよ。ゆっくり好きなギターでも弾きながら休んで下さいね...合掌

1059.jpg

冬の公園

<<次の記事 前の記事>>