トムプロジェクト

2018/07/17
【第1115回】

「石牟礼道子と出逢うpart2」に出かけてきました...今年2月に90歳で亡くなった石牟礼さんを偲ぶ会です。会場には沢山の人が集まっていました。彼女の生き方に共感した人、著作の愛読者、関係者などなど...5時半に始まり終わったのが9時。お別れの言葉を6人の方が述べ、作家・赤坂真理さんの講演と言うより楽器も参加しての公演。第二部の米良美一さんのコンサートは本当に良かった。米良さんもどことなくシャーマン的要素を持ってる方で、この日のイベントで石牟礼さんと魂の交流を最もしていたと思いました。彼が詠う「ヨイトマケの唄」絶品でした。実のところ本家本元美輪さんより良かった!美輪さんの臭さが無く、米良さんの小さな身体から絞り出される歌声が天空まで届きそうな感じがしました。この日、いろんな方が石牟礼さんに対する思いの丈を届けようとしていたのだが、おいらにとっての石牟礼さんは神格化された石牟礼さんではなく、水俣の渚にぽつねんと佇む農民、漁民、主婦であるからこそ、あれだけの言霊が産み出されたと思っています。観念から生み出された言葉ではなく、生活者の発する言葉を己の心魂に蓄積し醗酵し発せられた言葉だからこそ、読む者の奥底に沈潜し心動かせるチカラがあるんだと思います。

発展、進化の果てにうち捨てられた棄民、自然のうねりが石牟礼さんの数々の著作から聞こえてきます...怨念ではなく無垢なる言霊として。

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宵待ちコンサート

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