トムプロジェクト

2018/09/20
【第1140回】

「にっぽん男女騒乱記」18日横浜で千秋楽を無事終えました。最後のステージも役者さん気合十分で見ごたえありました。消えゆく紙芝居への郷愁、母と子の絆、遊郭を舞台に逞しく生きる庶民の哀感が色濃く表現された舞台でありました。作者が描く人物は皆、貧しくともぴかぴか輝いてます...博多に住んでたおいらの少年時代には、似たような人達が沢山いました。金はなくとも心は錦、心意気で生きてる人の姿にいろんなことを教わりました。そして、人はどんな立場に立とうとも心優しき男であれということを心身に刻み込まれました。遊郭のお姉さん、土方のあんちゃん、博打打ちのおっさん...どれもこれもドラマになりますバイ。今回の芝居を観ながら60年前の博多を想い出しました。

それにしても、芝居は、やはりチームワークですね。5人しか登場しない芝居でありながら、その当時の空気を存分に描き出す役者のチカラに改めて胸に迫るものがありました。5人の気持ちがひとつにならないと出来るものではありません。得てして役者という生き物自己中になりがちの人も多々居ますが、作品良ければおのずと我を捨て本の持つチカラ惹き寄せられるんですね。何度も言いますけど、芝居の出来は本で決まります...命を削って書いた本には、当然のことながら血が通っています。創作劇ばかりやってること自体が博打なんですが、いい作品に仕上がると、その喜びもたまりませんことよ。

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みなとみらい

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