トムプロジェクト

2018/09/13
【第1138回】

川口俊和著「コーヒーが冷めないうちに」読了、いや半了...なんですかいなこの物語。ホンマにチープですわ。ここ最近読んだ中でもワーストもんです。こんな安っぽいストーリーで荒波に揉まれ人生を生きてきた人間が泣きませんがな。でも、世間では多くの人が4度泣いたとか、涙がちょちょぎれたとか、そんな商魂に乗って9月21日から映画が公開されるそうな...今の世の中の流れを象徴してますな。軽佻浮薄なものを乱作し、おつむを軽石にしようという戦略が着々と進行してます。なんでんかんでんコミックでヒットさせテレビ映画化して安易に大金を手にする商業資本の手の内が見えてきますな。おっとどっこい、おいらはその手にゃ乗りませんぜ。この本を早々と手放し、今は先日、芥川賞を受賞した高橋弘希著「送り火」を読んどります。あまりにも青臭い文章の後だけに、やはり文学の匂いは感じます。といっても、最近の賞レースも本が売れなくなっているので、なんとなく売らんがための受賞が多い気がしますね。うっかり購入して古本屋なんてことも多々あるそうな。でも、古本屋も店仕舞いしてるところが多いので、この循環コースは必要かもね。先日、古書店の聖地神保町に行ったのだが寂しくなりましたね。店の前に並べてある掘り出し物の本を物色してる人の年齢層があまりにも高すぎる。昔は貧乏学生が、目の色変えて少しでも安く良書をと鵜の目鷹の目で群がっておりました。本を読まんと人生豊かに送れませんことよ...新聞も読まない、本も読まない人が多数を占めてくる国に未来はありませんぜ。

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久し振りのパエリア

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