トムプロジェクト

2019/09/04
【第1255回】

先週、今週と芝居を2本観たのですが...改めて演劇というジャンルの難しさを感じました。先ず演技そのものが日常と相容れないモノになっていないかどうか?もともと芝居が好きな人にとっては既に演劇そのものが、その人の身体にインプットされているので、そのパイのなかで処理出来る。がしかし、この趣味の多様性の現世において、この芝居自体がある特殊性を帯びているのではないかと思うことがある。観客の日々の生活史を余程凌駕することが無い限り、観客に時間とお金を強要するには限界があるのではないか...といっても、ミュージカル、今流行の2.5次元芝居、旬の役者が出演している芝居、いわゆる商業演劇に類するジャンルには相変わらずの集客力。そこなんですね...演劇が娯楽なのか、それとも社会との関わりの中で創られていくモノであるべきなのか...両者が上手く絡み合えば一番いいのだが、そうは簡単にいかないのが世の常。でも、考えてみれば表現自体そのものが千差万別。要は己のやりたいことをやればいいじゃん!と言う答えに落ち着いてしまう。確か昔、劇団のある主宰者が野球場に集まる多くの観客を眺めながら「芝居にも、この何分の一でもお客が来てくれれば嬉しいな...」と呟いたとさ。野球と芝居、所詮、似て非なるものかもしれませんな。

1255.jpg

今日の空

<<次の記事 前の記事>>