トムプロジェクト

2019/10/18
【第1270回】

昨日は、トム・プロジェクトの芝居でもお馴染みの村井國夫さんのコンサートに行って来ました。75歳になるダンディな村井さんの歌声に痺れました。前半は昭和の懐かしい歌、フォークも交えて語りかけるような唄は村井さん人生そのものの様でもありました。表現はすなわち生き方であることを証明していることを実感した次第でございます。トークも、村井さん特有のユーモアで会場は爆笑の渦。この辺りは百戦錬磨の役者でございます。後半はミュージカル「レ・ミゼラブル」の初演から900ステージ近くをこなしたジャヴェール警部の持ち歌をはじめ、映画の数々の名曲を重厚かつ軽やかに歌いこなすところなんぞはまさしく和製フランク・シナトラ、いやイヴ・モンタンといったところか...考えてみれば、村井さんみたいな役者さん、この日本でもなかなか見あたらない気がします。おいらが先ず驚いたのは、トムの芝居に初めて出演してもらった「満月の人よ」でのだらしない親父さんの役でした。ミュージカルの俳優さんだと思っていたのだが、見事に田舎のダメ親父を肩の力を目一杯抜きながら演じてくれました。村井國夫という役者の底チカラをまざまざと見せつけられた次第です。

来年もトム・プロジェクトの「砦」の再演が決まっています。村井國夫さんが放つ人間臭さと同時に、表現に対する飽くなき探求心にまだまだ目が離せませんですばい。

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東京原宿にて

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