トムプロジェクト

2020/10/26
【第1403回】

週明けの東京はさわやかな秋晴れです...先週の土曜日、神奈川県のテアトルフォンテで「砦」の公開舞台稽古をやってきました。お客さんを入れ本番さながらの舞台です。厳重な警戒の中、芝居は無事終えることが出来ました。この状況の中、キャスト・スタッフの徹底した自己管理の中、この日を迎えられたこと唯々感謝です。なんとしても舞台の灯火を消してはならないという信念あってこそのことだと思います。特に村井國夫さんにとっては、昨年の年末に病での舞台途中降板以降、初めての舞台だったので感慨もひとしおではなかったのではなかろうか...役者さん、さすがに気合い入っていました。役者は舞台に立ってなんぼの世界です。水を得た魚のようにスイスイと舞台上で活き活きとした姿を観るにつけ、おいらも幸せな気持になった次第でございます。早速、観客の方からメールが送られてきました。

 

先日、砦を鑑賞しました。村井國夫さんの、室原役、熱演で、リアリティが伝わりました。藤田弓子さんの、妻役も、ピッタリで、けなげで慎ましく、女性の共感を集めていました。私の生家は、利根川の下流域で、上流のダム建設の恩恵を受けてきました。また、学生時代、その利根川のダム建設で生家が、水の底に、沈んだ人の話しを聞いた事があります。水利、電力、軍事防衛、公共の受益者、犠牲者、が出てしまう無限な問題を提起する作品でもあるかと思います。

全国公演のご成功を祈念致します。素晴らしい、舞台 ありがとうございました。

 

生の舞台の反響を改めて強く感じます。生身の人間が命をかけて伝えようとしている舞台芸術が無くなるはずはないし、無くしてはいけないと思います。千秋楽東京公演12月27日まで、なんとか無事に終えることを念じるのみです。

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新宿西口

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