トムプロジェクト

2020/12/14
【第1423回】

いよいよ寒波がやってきました...寒さはまだしも、やはりコロナが心配です。それにしても菅義偉首相が11日のインターネット番組で「ガースーです。よろしくお願い申し上げます」と自己紹介したことにはアチャー。コロナで失業した人、お店を廃業した人、医療従事者や介護従事者等感染のリスクを負いながらも懸命に働いている人達はどんな気持で聞いたんでしょう...この人、陰で上手く立ち振る舞うのは巧みなんだろうけどトップは無理だね。

今日、割烹中嶋でいつもの鰯の刺身を食べて後、隣のビルにある新宿ビームスジャパンの1階を覗くと「新宿ゴールデン街」なんて看板が掛かってるではないか...なんだろうと思って入ってみると、なんと「桂」「まえだ」のネオンがキラキラしている。このお店のオーナーは既になくなっている。ゴールデン街の名物ママとマスターの店であった。半世紀前の「まえだ」には当時名だたる作家、映画監督、俳優が夜毎来店していた。業界では先生とちやほやされていたのだが、まえだのママの前では罵声と怒号でおとなしくしていた。佐賀出身のママの「なんばえらそうにしとうとか!」の威勢のいい声が今でも耳に焼き附いている。四国出身の中島ちゃんがやっていた「桂」も美空ひばりをはじめ、大物芸能人が出入りしてた店であった。食べ物は乾きもんだけ、野球帽をちょいとずらして被ったマスターは映画、演劇をこよなく愛しているのだが毒舌のあまり客との諍いが絶えなかった。ご機嫌の時は雑然と積まれたEPレコードのなかから、石川セリ「八月の濡れた砂」を良く掛けていた。当然の如く針飛び、擦れ音も味の内、場末の飲み屋によく似合っていました。

コロナ禍で苦戦している新宿ゴールデン街、二人の先輩は心配のあまり天国でも安心して飲めない日が続いているんではなかろうかと心配しとります...

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なつかしか...

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