トムプロジェクト

2018/10/15
【第1147回】

ふとした時間、何の予定もない空白のひととき...そんな不意をつかれた脳に暫しの刺激を与えるのも楽しいものだ。現代ブラジル作家、ジョアン・ギマランイス・ホーザ著「最初の物語」を読む。南米大陸からは、あの奇才ガルシアマルケスを輩出している。我々、東洋の人間にとって計り知れない人々、出来事が日々跋扈しているに違いない。おいらにとっても南米大陸はいまだ摩訶不思議な世界である。この本に出てくる登場人物も、ずば抜けた才能をもつ子供や青年、聖人、ならず者、吸血鬼などなど多種多様だ。なんだか日本昔話を聞かされてる文体も面白い。まるで地を這う人達が、地の底から掘り起こした蠢きを天に差し出してるようでもある。まさしく、文学は面白すぎまっせ!

そんな本を読んだ後の散歩時の空も、日毎、様々な顔を魅せてくれる。なんだか空に、こちらの気分を見透かされてるなと感じるときもある。空の色、雲の形、動き、一瞬で変わる空の表情にドラマを見ているようでもある。健康な頭脳、心身あってこそのひとときだ...そんなおいらを産んでくれた亡き両親に、こんな時間を持たせてくれる周囲の人達に感謝。

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ソラミタカ

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